ネパール・パタンジェ村サポート活動「夢広の会」活動報告

第二回パタンジェ村訪問(2015年9月)

 

2015年9月28日~10月9日、「夢広の会」のメンバーが震災後初めてパタンジェ村に行き、被害の状況や復興の様子を調査して来ました。国からの支援の手はいまだに届かず、全壊の家は手付かずの状態で、仮設での生活が続いていました。

また2015年春のサポート活動のその後も、確認してきました。

震災の被害状況


「夢広の会」を結成して1週間後、パタンジェ村への支援を本格的に開始しようとしていた2015年4月25日、ネパール大地震が発生しました。さらに5月12日にはM7.3の余震が起き、その震源地がパタンジェ村に近かったため、村に大きな被害が出ました。

 

村では多くの住宅に地震の被害が出ていました。全壊の家が11軒あり、村の7割の家で半壊や一部損壊の被害が出ていました。

地震から5か月近く経っていましたが、パタンジェ村は大きな町から遠く離れた山村のため、政府の支援が十分に届かず、多くの住宅では修繕も行われていない状態でした。

住宅を失った住民は、木造やブルーシートで作った仮設の小屋で生活する者もおり、雨風を何とかしのいで生活をしている状態でした。

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会からの資金援助のもと、5月19日に緊急支援物資として贈られたブルーシートは仮設の家や家畜小屋として活用されていました。

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ブルーシートの仮設テント

耐震モデルハウス建設

住宅の修繕が進まない一番の理由は資金面の問題です。ネパール政府は「地震に強い住宅を建てなさい」とは言っていますが、金銭的、技術的支援が村まで届いていないのが現状です。村の大工たちは、地震に強い建物をどうすれば建てることができるかを知らないのです。

そこで、私達は村に「耐震住宅のモデルハウス」を建設して、建設の過程で村の大工さんたちに耐震技術を学んでもらおうと考えました。現地で調達できる木、石、竹、粘土などを使った耐震住宅建設の技術を村の大工さんに学んでもらうことで、村の自立した住宅再建をサポートすることが目的です。

煙の出ないカマド作り

第一回パタンジェ村訪問で知ることとなった新たな課題である「カマドの煙が住宅内に充満する問題」について、煙の問題を解決するために現地でカマドの試作を行いました。

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完成した試作カマド

農業支援のその後

シイタケの栽培

第一回パタンジェ村訪問において菌の植え付けがされたシイタケの原木は、村人によりしっかりと管理されていました。

日のあまり当たらない通路に本伏せして竹の屋根をしてありましたが、横からの風も防ぐために囲いをするようにお願いをしました。

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サツマイモ作り

サツマイモの苗はうまく育っていませんでした。同じ苗で首都カトマンズでは育っていたので、気候の違いの影響が出たためと思われます。

ヤギの飼育

第一回パタンジェ村訪問において6匹の種ヤギをプレゼントしましたが、今回訪問すると子ヤギが1匹生まれていました。

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